「 京都 」
多様な文化が生まれた街。


その「文化」は、京都の人々との生活と共に
長い時間をかけて醸成され、
伝統工芸として現代に至るまで、脈々と手から手へと受け継がれてきました。
職人達は人間の一生という限られた時間を捧げ、
   まさにこの瞬間も自らの技が更なる高みに届くよう精進しております。


初めまして。
私たちは、京都府仏具協同組合青年会と申します。(以下、仏具青年会)
主に仏具を製造販売する事業者の中で、若手を中心とし組織されたのが
私たち「仏具青年会」です。

この街で生まれ継承されてきた技を継ぐために。

仏具青年会は、更に「商部」と「工部」の2つに分かれ、
商部は小売店や卸売店、工部は製作現場にいる職人達で組織されています。
2021年、私たちは創立60周年を迎えました。


その大切な節目に、この「継仏具」を製作致しました。
情報が無数に飛び交い合理化が加速する社会にあっても、
手作業でゆっくりと伝統と文化を守り継いでいくために、
こつこつと技を磨く職人が京都には多く住んでいます。
そうして守られた文化は、これまでのように美しく語り継がれていきます。


しかしその反面、その伝統は「呪い」のように京都を縛ります。
伝統に縛られて、消えていった「伝統」を私たちは知っています。
長い時間をかけて技術と意匠を産み、受け繋いでくるまでに
一体どれだけの人々が関わってきたのか。
そのことを思うとやりきれない気持ちになります。


私たちだけでは、全ての伝統を守って継いでいくことは不可能です。
不可能だとしても、「継ぐ行動」を起こさなければいけない。
それは、この仕事で暮らす者としての使命と感じます。


その次世代に「継ぐ行動」こそが、この「継仏具」です。

それもまた、この先の遠い未来に渡す「伝統の呪い」に繋がるのかもしれない。
しかし、自分自身もその螺旋の小さな一部分になれている。
その事を私たちは誇りに思います。


京都府仏具協同組合青年会

継仏具は
京都府仏具協同組合青年会所属の、「商部」と「工部」の2つの部会によって成り立っています。
商部とは、小売店の若手従事者により構成され、工部は、各工程の専門職によって構成されています。


仏具製作の現場では、それぞれの分野において非常に高度な専門性が求められます。
木地・漆工・箔押・彩色・蒔絵・飾り金具・金属・彫刻等
ここに書ききれない程、たくさんの職方が京都にいます。

伝統と生活の変容。その間を繋ぎ、そして継いでゆく。

そして、それぞれの職方をまとめる仏具商というプロデューサーが
完成するまでを総合監督しています。


「伝統工芸の問題」
後継者や技術の継承、止まらない合理化。
仏具の業界においても例外ではなく、
伝統的な商品が必要とされることが稀になりつつあります。


技術と意匠をこれから先の未来に必要とされ
次世代にバトンを渡せるように
それぞれの知識とノウハウを一つの組織にまとめることで
業界に新しい流れを取り入れたいと思っています。


現代社会では、あまりに多くの情報があふれており
その中から確かな情報を選別することが困難となっています。
根拠に裏打ちされた技術と意匠の商品を正しい価格で発信するツール、ECサイトを
我々自身で運営をしています。


各方面で活躍する仏具店や職人が所属しており
彼らのノウハウや技術を体験できるワークショップや展示会を順次開催し、
お客様のご意見を体感することで更なる技術の向上や新商品の開発に
活かしていきたいと思っております。

サイト制作にあたりご協力頂きました、
伝統工芸士会様 厚く御礼申し上げます。

継仏具実行委員会 委員長
藤田卓也